年代別

妊娠中

妊娠中は、つわりや女性ホルモンの変化によって、口腔内の健康が影響を受けやすくなることがあります。歯茎が腫れたり出血したりしやすくなり、むし歯や歯周病のリスクが高まる傾向があります。
特に『妊娠性歯周炎』が進行すると、早産や低体重児が生まれるリスクが高まるとされています。
そのため、妊娠中の安定期には、口腔の健診を受けることが勧められています。

0〜2歳

赤ちゃんは生後約半年頃から最初の乳歯が生え始めます。
生まれたばかりの口腔内にはむし歯菌がいないとされていますが、特に1歳半から2歳7か月頃に周囲の人の唾液を通じてむし歯菌が伝わりやすい時期といわれています。
また、この時期に母乳を吸うことが上唇の筋力を鍛えることにつながり、歯並びが整いやすくなる可能性があるとされています。

3〜5歳

この時期からは、歯みがきの習慣をしっかりと身につけることが大切です。赤ちゃん自身では歯を完全に磨くのが難しいため、親御さんによる仕上げ磨きが推奨されます。また、頬杖や指しゃぶり、唇やタオルを噛む癖にも注意が必要です。これらの習慣は、歯並びや咬み合わせに影響を与える可能性があるため、早めの対応が望ましいとされています。
また、この時期にはむし歯が増える傾向が見られることがあります。乳歯は永久歯に比べて歯質が柔らかく、むし歯になりやすいためです。
食事やおやつの時間を決め、ダラダラ食べを避けることで、むし歯のリスクを軽減しやすくなります。
甘いものも控えめにしましょう。
また、以下の点にも注意が必要です:

仕上げ磨き 親が歯磨きの後にしっかりと仕上げ磨きを行うこと。
口呼吸 口が開いたままだと、口内が乾燥しやすく、唾液不足によって細菌が繁殖しやすくなります。
指しゃぶりや頬杖 乳歯の奥歯が生える時期にこれらの癖があると、歯の咬み合わせが乱れることがあります。
舌の癖 舌が同じ歯に触れたり押したりする癖がつくと、歯並びに悪影響を及ぼすことがあります。

6〜11歳

6歳頃になると、乳歯の奥歯のさらに後ろから『第一大臼歯』という永久歯が生えてきます。この歯は噛む機能において重要とされていますが、生え始めは高さが低く、歯質もまだ成熟していないため、噛む面の溝が深く、磨きにくいことが多いため、むし歯になりやすいと考えられています。
この時期に矯正治療を開始することで、成長を治療に効果的に活用できる点が大きな利点とされています。
顎の成長をサポートし、顔の輪郭の歪みを抑えたり、将来的な抜歯のリスクを軽減したりすることが期待されます。
当院では、通院中の患者さまに無料の矯正相談を実施していますので、ぜひお気軽にご相談ください。

また、6歳前後に生えてくる『6歳臼歯』(初めての永久歯)のチェックも重要です。この歯もむし歯のリスクが高いとされているため、親御さんのサポートが大切です。生えかわる歯がなくても、しっかりとケアを続けましょう。

12歳〜成人

中高生になると、食生活の乱れがむし歯のリスクを高めることがあります。試験や課外活動で夜遅くまで起きる習慣がつくと、夜食を取る機会が増えることがあります。また、ジュースやスポーツドリンクなど糖分が多い飲み物を頻繁に摂取すると、むし歯の原因となることが考えられます。
成人後も、家事や仕事中に砂糖やミルクを加えたコーヒーや紅茶を長時間摂取し続けることで、むし歯のリスクが高まることがあります。
特に注意が必要なのは歯根部分です。歯の上部(歯冠)に比べて柔らかく、表面がザラザラして汚れが付きやすい上に、酸にも弱いとされているため、むし歯が進行しやすい部分といわれます。歯根にむし歯が広がると、最終的には歯が折れたり、抜歯が必要になることもありますが、奥歯の根元は見えにくく、発見が遅れる場合があるため注意が必要です。

この時期には永久歯が完全に生え揃うため、歯と顎のバランスをしっかり観察し、正しいケア方法を習得することが大切です。
むし歯や歯周病、口臭の予防に努めるとともに、顎関節症の症状が見られることもあるため、お子さんの様子を注意深く確認することをお勧めします。

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